ここはゲームやら本やらアニメについてつれづれ語っている、雑多でまとまりないのが仕様な感想ブログです。長文に怯むことなく、楽しんでいただけたらば私狂喜。
2006/02/01(水) 00:00
かなり捏造。
ちょっと痛い系。血が苦手な方はご遠慮下さい。

難しいよナノたん。不思議ちゃんはアレコレ考えるタイプじゃないかもしれないけど、そうでないと話が進まないor話が止まらない。
とりあえず、ナノたんが普通の攻めにならないよう気をつけました(笑)

納得いかない納得いかない(エンドレス)でかなり引っ張ったというのに、まだ納得いかない。でも載せるさこの野郎!(自棄)

長いです。相当長い。2編に分けようかとも考えたけど、自分で読み返したら一気読みがいいと思ったので。
ほんとになげぇぇぇぇ。
アキラァが出てこなくて寂しかった(笑)


赤。
濁りのない赤。
辺り一面に飛び散っている腐ったような赤とは違う、純粋なただの赤い色。
隙がなく、一筋の光のように移動していた。流れ星のようなそれは、強い力を持っている。
何故気にかかるのかは解らないが、自分と同類の兵士達以外の者は排除するべき物である事は理解している。夜営に紛れて、一瞬の強風のように行く先の空気を威圧している、赤。
近づいてきたら、消せばいい。最早人外の者として扱われてきた自分には、消し方など考える頭を持たない。加虐に酔いしれる事にも、死に行く人間の悲痛な顔にも、何の感慨も持たない。興味がない。そうインプットされているのだ。心の奥底で、燻る何かに気づいていないわけではないけれど。

無。ただの無だ。
肉塊が散らばっている。火が燻っている。業火のせいで赤い月。生在る物を拒むようなこの廃れた戦地であっても、心は無しか生み出さない。哀という“言葉”しか知らない。意味を知っていても、感じ取る事ができない。拒否するのだ。
何かを掴もうとしても、実体のないそれ。あと少しで手が届きそうなのに。邪魔をする、白い記憶。研究所だ。
無の中であっても、月だけはそこに在る。満天の星は今は見えないけれど。暗闇でこそ光る月は正直で羨ましい。光ろうとしているわけでもなく、抗っているわけでもない。ただ、光っているのだ。白く。…今は赤いけれど。
人間はなんて脆いのだろう。悲鳴と鮮血の、なんと意味のない事か。最も、意味のない事だと考える事自体、全くの無意味だ。所詮、この人間達も、操られているだけだ。
も?
自分も…?
操られていようが利用されていようが、この国は破滅に向かって進んでいる。最強の兵士が現れたところで、救いようがない。そんな事を最後に考えたのはいつだったか。あの真っ白な研究所で、猛烈に黒に憧れた記憶。でも…俺の行く先に黒はない。赤しかない。鮮血の、赤。いかにうまく仕留めても、必ず吹き出る赤。いつしか視界は赤に染まる。黒に染まってしまえば、楽になれる気がするのに。心の奥底で、燻っているのだ。何か、が。
そんな事をどこかに浮遊した幽霊のような自分が考えている。突如消えたそれは、実体のある体に浮遊感を与えていった気がした。全ての感覚が鈍いのに、全ての感覚で捕らえられる。イドのようなものだ。調教したのは自我ではなく、研究所の人間達。研究所の人間達がノーと言えば、ノーで良い。・・・周辺一体が血臭に満ちているのはそのせいだ。国に踊らされて、任務を全うする事が使命の兵士たち。そこに感情など、既にない。無だ。どこまでいっても無。無に犯されている、ニホン。感情を削除されても、軍を勝利に導く答えと、その方法は次々と頭に浮かんでくる。頭の中は、何もないというのに。嘲笑に顔が歪む。実際には、表情に変化などないのだろうけど。
殺戮兵器として戦場に赴いてからずっと燻っている何か。その正体が知りたかった。研究所の人間に聞いても、排除されてしまう気がした。それに焦燥を抱いているようだった。
しかし、今回もまた、得られるものはなく、疲弊すらしない体を佇ませていた。ゆらゆらと、炎と体を一体化させる。しばらくしたら、軍の合図が出るだろう。燻る炎が消える頃には。

諦めでも失望でも、憤怒でもない、それらを超越した表情を浮かべる紫の瞳。無防備で無気力で、一見すると赤ん坊のように無垢な立ち姿。
だが、兵士の格好をしている。武器も所持していない。ここは戦地だ。あまりにそぐわない、この光景。無垢な姿は、恐怖を煽る。強者であればある程、敏感に感じられるであろう恐怖。
その感覚を、俺は知っている。
恐怖の先も。その先の、更なるその先まで。
味わってしまったら、二度と味わう事ができない。・・・消されてしまうから。

「・・・・・・・」
目の前で燻る火は、涙のような形をしていた。赤くて熱い涙。さらっと一瞬で消えてしまった。きっと、自分が涙する事があっても、同じように一瞬だろう。構わないが。

「・・・?」

赤い…?火は消えたはずだった。火よりももっと純粋な色だ。不規則に揺れる赤。疑問から数秒とかからず、全ての感覚が察知した、赤の原因。その気配。夜の闇に紛れて、瞬時に移動している。無駄な戦闘を避け、流れるようなその動きは予測がつかなかったが、この体に捉えられないものなど、ないのだ。
近づいてくる。こちらの気配を察知している様子はない。気配など、元より持ち合わせていない。まっすぐにこちらに向かってくる。
また、人間を消さなければならないのか。月が赤くなってしまう。
特に何をするでもなく、思わず月に背を向けて佇んでいると、赤い気配がぴたりと止まった。ちょうど真後ろ、数メートル離れた夜営の影で。驚愕の空気が流れている。
何に驚いているのだろう?感情のない兵たちに、驚愕が表れるなど有り得ない。
気配を探ると、先天性の純粋な強さを持つ男の存在に少し心が踊った気がした。自分の強さは自分で得たものではない。勿論、望んだものでもない。
赤い気配の持ち主は、我流で手に入れた強さを、持て余しているようだった。強さのみを目指して、その為だけに生きる。それは生き急いでいるようにも感じられて、対峙してみたいという欲求に気づかない振りをして、ゆっくりと振り返る。

「・・・・・・・・・」

視線の先に、黒い影が揺れていた。赤い瞳が二つ。先程まで流れ星を思わせた赤だ。純粋な赤。恐れを知らない、強い光を持った赤。
視線が、合わさる。
赤い、白い、黒い。
モノトーンの中に映える、赤い色。
軍の人間か。
固まったまま動かなくなってしまった黒い影。・・・焦燥が感じられた。

「・・・・・」

元より持ち合わせていない意思は、この紫の瞳に込められる事はない。ただ、ぼんやりと視線の真ん中に捉えていた相手から、じわじわと焦燥とも驚愕ともとれる感情が伝わってくる。周囲の空気がぴりぴり反応している。当の本人は、自分の感情に気がついていないようだが。
恐怖を、身が竦む程の恐怖を、知らないのだな。
自分の力を完全に知り尽くしているからこそ恐怖しているその様子は、普段隠れている自分の中の何かに刺激を与えていた。
この男、…面白い。
耐え切れなくなった体から、震えが湧き出ていた。全身から発せられる、殺気。
俺との対峙に、限界を感じたか。震えるその様は、酷く被虐的だ。

「う…う…うわあああああああ!!!」

口から零れた咆哮と共に、黒い影が突っ込んでくる。赤い瞳は揺れていた。その様がまた、何かに刺激を与えて止まない。ふつふつと湧き上がってくる何か。何故か疼く下肢。
周りの兵士達が、一斉に飛び掛る。恐怖したままの体は、積年の経験から無意識に動いているようだった。身の危機を感じたモノトーンの体躯が、主の恐怖など忘れ去ったかのように反応している。真っ白な肌の下に浮かぶ、筋肉の突起。奥底に闘気を宿した赤い瞳。

強いな。純粋な強さだ。まだ敗北を知らない、穢れのない強さと自信。
自分にはないもの。いや。とうに忘れ去られた感情。途端に湧き出た欲求。
恐怖。恐怖など、押さえつけられて、押し込めて、痛覚を取り除かれてしまえばあっという間に消え去るものだ。与えられる事に尽く従順になれば、恐怖に震える事は放棄できる。拡散してしまうのだ。
自分は、そうだった。そうでなくてはならなかったのだ。いつの間にか、それが当たり前になっていて。気がつくと、全ての感情を超越したような感覚だけが残っていた。そういう訓練だったのだろう。欲しいのは、超越するに至るまでの感情だというのに。答えだけ与えられても、しこりとなって残るだけだ。疑問だけが。

恐怖、か。それはどんな味だったのだろう。
甘美なのか顔が歪む程苦いのか、それとも全くの無味なのか。
揺れる赤い瞳は、何を表している?

この男の…恐怖を味わいたい。
否、この男なら、恐怖という感情を取り戻させてくれるかもしれない。
かつて自分にもあった感情。負の感情を取り戻せば、あるいは相反する感情も戻るかもしれない。恐怖を味わえば、耐えず燻る何かが消え去ってくれる気がする。自分を包む無気力が一気に爆発して、楽になれる。そんな気がして…。確信は持てないけれど。
その後がまた、何も変わらず無であっても、失望しても、変化が欲しい気がした。
燻る何かが消えて欲しいから。

恐怖 恐怖 恐怖。
内面が、恐怖という言葉で満ち溢れてゆく。
知っているのだ。言葉だけは。
体中で欲している、恐怖という感情の味。
それはとても甘美な気がした。小さな子供のように、膨れ上がった欲求は消沈する事を拒んで仕方ない。内心苦笑する。自分にも、こんな感情があったのか。あまりにも突然すぎる感情の揺れ。…欲求だ。
この男の赤い瞳。人間の持ちうる強さ。自分にはないもの。
俺は妬んでいるのか。欲しているのか。…わからない。
わからない。
だったら、この男ごと…。
味わってしまえば、いい。


刹那。
いつもそうだ。考える時間だけはやたら長い。
行動だけが一瞬だ。

「こ・・・ろ、せ・・・・」
「・・・・・・」

自分の近くに来るように促した手。おいで。
それだけで対峙する相手の臓腑を突き破れる自分の真っ白な手が、腕が、全てを否定する感覚。遅れて感じる、人間の体温。受け止められて、拒否される。自分の手は、異物だから。

「ごほっ・・・・」

震えている。与えられた痛みに恐怖するその様は、酷く官能的だ。
下腹部が疼く。こんな疼きは初めてで、どうしていいか解らない。制御できない自分の行動。どうしてしまったのだろう。ただ、酷く愉しい。愉しい?
疼きはそのまま右腕に伝わり・・・
黒い布地を引き裂く。引き裂かれる布の悲鳴。人間のそれとは違う音だ。

「!!!」

見開かれた赤い双眸。少しの怯えを含んでいる所為だろうか、きつく見据えてくる。
再び、下腹部が疼いた。純粋な闘気と反抗心を、ぐちゃぐちゃにしてやりたい。
何故そう思うのか。この男が、自分とは正反対だからか。正反対?どうしてそう思うのだろうか。わからない。戸惑う。苛々する。

「・・・・っ!!!」

膨れ上がった幾つかの感情が熱暴走を起こしている。
白い肌に伝う真っ赤な血を舌先で掬い上げ、同時に男の薄い唇を舐め上げていた。強張る体に、更なる刺激を与えて開かせてやりたくなる。色々な感情を、感情として認識できない事がもどかしい。そんな風に感じた事などないのに。
ひとしきり唇を味わうと、男の口から息が零れた。開かれた口に、舌を捻じ込む。拒む男に苛立ち、貫いた右手を乱雑に蠢かす。苦痛の声が、疼きを肥大させる。
歯列をなぞり、思ったより温かい口内を舌で犯す。卑猥な音が鳴り響いた。固まったままの舌を、乱雑に嬲る。次第に力を失う舌を、ちぎれそうな程吸い上げたところでふと気がつく。
赤い瞳が、潤んでいるのだ。
痛みと快感は切り離せないもの。痛みに、酔いしれているのか。後に訪れる快感にも。
血の混ざった唾液までも吸い尽くして唇を離すと、男は息も絶え絶えにぐったりしていた。いつの間にか、震える程の恐怖は落ち着いたようで、僅かに残る自尊心で自分を睨み付けている。そんな表情をしていた。
瞳は震えて、潤んでいるというのに。

「うあ・・・・」

体を突き破っていた右手を引くと、男の喉仏が上下し、唇からくぐもった声と共に鮮血が湧き出た。再び唇を塞いでから、どくどくと血を流し続ける肺の辺りを優しく擦る。
血で滑った音は酷く淫猥だ。快感を伴う痛み。それを意識して、男の白い肌に血を塗りつけるように手を移動していくと、胸の突起に触れた。微かに尖ったそれ。特別意識した事はないそこが、次第に尖りを帯びていく様に疼きが増していく。自分も、こうなるのだろうか。
発見が嬉しい気がして、思わず舌先で触れた。血の味がする。口の中に含むと男の体が更に強張り、そしてだんだん綻んでいく。開かれていく体に、瞠目する。滑らかな肌と、全身を覆う筋肉。人間的なそれは酷く綺麗で、同時に引き裂いてやりたいと思った。そうすれば、男の瞳はさらに揺れ、下腹部の疼きも緩和される。そんな気がする。考えばかりが進んで、行動が進まない。男は、何を望んでいるのだろう。自分と同じように、下腹部の疼きを感じているのだろうか。

ベルトに手をかけ、焦らすように皮の質感を楽しむ。筋肉に覆われた太腿を、じわじわと撫で上げると、男の喉が微かに仰け反った。胸の突起はかたく尖っている。軽く甘噛みしてから、仰け反った男の喉に喰らいついた。死んでしまうと躊躇して、鎖骨の下辺りを噛み締めると、じわりと甘味が広がった。甘い甘い血と肉の味。

「!!!・・・・っ・・・あ・・・」

男の体から力が抜けた。その隙に、ジッパーを引き下ろし、緩く屹立している雄に手を這わせた。ゆるゆると上下に扱くと、硬さを増してきたそれに興奮する。
無我夢中で弄った。男の白い頬が上気して、薄い赤に染まっているのだ。とろんとした赤い瞳が潤んでいる様は、快感を欲しているようで堪らない。自分に、もっと欲しいと望んでいる。そう思うと更に興奮した。
痛みと、快感。どちらが欲しい?
・・・それとも、恐怖を返して欲しいか。

「・・・ふっ・・・あっ・・・はっ・・あ・・・・・」

扱くペースに合わせて漏れる声。男の意識は半ば切れかけているのだろう。自尊心で縛られていた先程とは、声の質が違っていた。
赤い瞳も、白い肌も、手の中で硬さを増していく雄も、俺次第で変化する。
だが・・・何かを忘れている気がする。俺は、この男に何を望んだ・・・?
先走りに滑った先端を口内に含む。ひとしきり吸い上げたところで、びくりと震える体を感じると、冷静な思考が脳内を犯し始めた。
俺が欲しいのは・・・
この男の恐怖だ。今この男が味わっているのは・・・ただの快楽だ。
味わった事のない恐怖を、この男に与え自分も味わう。
快感ではない。いつの間にか自分も快感に甘んじていて、それに流されてしまっていた。そんな気がして逆に焦りだす。

雄から唇を離すと、男は一息ついたような呼吸を繰り返し、ぐったりとしていた。出血が多かったのだろう、最早抵抗する様子すら見せない。先程まで潤んでいた赤い瞳は、無機質なそれになってしまっていた。

「・・く・・・・」

男の口から悔恨を思わせる声が漏れた。
それを聞いた途端。再び欲求が膨れ上がった。

「お前の恐怖は、どんな味だ。」
「・・・・・・」

無意識に口から零れた言葉は、男には聞こえていないようで、意識してなどいないのに少し憤りを感じた。憤りのまま耳朶に舌を這わせ、軽く噛んだ。びくりと反応する体。舌からじわりと苦味を帯びた甘さが広がる感覚。男が感じている感覚もきっと同じだ。またか、やめろ、もういやだ、・・・痛みが欲しい、快感が欲しい、痛楽に溺れたい。

「お前の中の恐怖は、もっと濃いものだろう・・・」
「!!?」

再び雄を掴む。今度は乱暴に弄った。きつく握り締めたまま男を見据える。
怯えと、期待を含んでいる。期待。抗えない快楽への期待。そんな自分への蔑みを、痛みで緩和させたいのだ。きっと。

「お前の中の恐怖。その感覚を忘れるな・・・」
「っ!!!いっ・・・う・・・・がはっ・・・」

握り締めていた雄が萎える。
奥の窄まりに、構わず指を突っ込んだのだ。すぐに引き抜き、臀部をさらりと撫でた。
痛覚が走り抜けたのだろう。男は苦痛の声を漏らすと、激しく咳き込んだ。
再び唇を塞ぐ。息もできぬほど。
胸が大きく上下していた。傷口からどくどく溢れる血。全身が痛覚の塊となった男の舌は、冷たくなってしまっていた。
雄が萎えてゆく。同時に臀部は強張り、挿入と進入を拒む。
感覚だけは痛みに従順で、反して体は拒否している。男の全身は、冷たい汗で濡れていた。
気がつかなかった。体は上気していても、汗だけは冷たい。
酔いしれるとばかり思っていた痛みを、体の機能が頑なに拒む。次第に体温が下がっていけば、確実に命を落とすだろう。何故か、それは躊躇われた。まだこの男の恐怖を味わい尽くしていない。恐怖を克服して、違うものが生まれるかもしれない。
負けを知らないこの男に、絶対的な敗北を刻み込んで、自分に執着するようにしてやろう。
そう思った。きっと追ってくるだろう。殺そうとするだろう。それが生きる目的になるだろう。この男なら。強い瞳を持った、この男なら。憎悪に揺れる赤い瞳もまた、俺には一生持てないもの。この男の色が変わる事はないだろう。
赤い瞳に、自分の青い瞳が映っている。互いに混ざり合う事はなく、澄んだままの青い瞳は、激情に揺れる様など一度も見せない。主がそれを持たないのだから。

痛みに怯える男を介抱するように、萎えている雄を口内に含んだ。唾液をからめ、ひたすら舐めた。快感を与える事だけを考えて奉仕する。男が再び自分を求めてくれるように。ここで果てようとも、それでも追い求めてくれるように。
クリアになっていく思考で、ふと気がついた。
快感を与える術を、知らない。滅し方しか、知らないのだ。
だから、か。
先程の男の姿態に興奮したのは。自分の手によって与えられる行為を、快感として受け止めた男に、尽く興奮した。嗜虐的な自分の嗜好を受け止める。自分のものなのか、埋め込まれたものなのかは解らないけれど。
舐めて吸い上げて扱く。思いつく限りの事をした。赤い瞳は・・・もう潤まない。
びくりと男の体が震えた。限界を訴える雄の先端を、舌先で優しく拭うと、小さく腰を震わせながら男が達した。あたたかいそれを全て嚥下する。赤い瞳がそれを捉えたのを感じた。同時に男は、意識を手放した。ゆっくりと赤を覆っていく冷ややかな目元に、透明の雫が浮かんでいる。涙、というやつか。舌先でそれを拭い取って労わるように飲み込んだ。



所々で燻っていた火は、暗闇に飲み込まれてしまったかのように消沈していた。
飲み込んでしまったのは自分である。
そんな感覚がして、思わず胸に手を当てた。
飲み込んだのは、火ではないのに。

男は再び追ってくるのだろうか。敗北を噛み締めて、一段と強くなるのだろうか。
恐怖という感覚など、すぐに忘れてしまうかもしれない。
それでもいい。
今度は、おれの恐怖を味わってくれれば・・・。
呪われた、自分の血。解っている。ただ、研究に従順なわけではないのだ。

この血を、自身の中に取り入れて、常時消える事のない不安に包まれた時、お前はその恐怖に耐えられるか・・・?それが、本当の恐怖というもの、だ。

研究所に戻る道すがら、期待に胸を躍らせる。実際は、期待など感じているわけではないのだが。それが解るからこそ、自分自身にどこまでも失望してしまう。
こんな腐った国にも、自分にも、未来などない。同じ事が繰り返されるだけだ。
全ては破滅に向かっている。
そう思うと、心の奥底で、何かが燻る。この燻りの正体は・・・
あの男が教えてくれた気がするが、実体を持たないそれを確信する事ができない。
いろいろな感情が蠢いている。気持ちが悪い。
研究所に戻ったら、その時は・・・・

自分が何を考えているのかは解らなかったが、あの男の追随を望んでいる事だけは解っている。
蔑みの目でお前を見た時、お前の赤い瞳は、どんな風に俺を写すのだろうな。
月は、もう赤に染まる事はない。幻想でしかなかったのだ。
月でなくても、白いものはある。赤に・・・染めてやる。
俯けていた顔を上げると、目の前に真っ白な研究所が立ちはだかっていた。
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